システムエンジニアが仕事を辞める際にどのような理由で辞めるのかと、実際に面接での上手なセリフや対応についてご紹介します。
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システムエンジニアに多い退職理由
労働時間が長い
エンジニアがブラックと言われてしまう1番の所以だと思います。案件によってはプロジェクトに対して予算や時間、人材が足りないなど様々な理由で1人当たりの労働時間が長くなってしまうことがあります。
私も夜勤込みで16時間勤務とか無茶なプロジェクトで心身共に壊れてしまいました。
- 「毎日終電は当たり前」
- 「休日も出勤しろ」
- 「もっと残れ。俺や先輩はもっと忙しいんだぞ」
- 「残業代とかの手当ても出ないけど働け」
なんて雰囲気が蔓延してたら辞め時かもしれません。休みの日には「資格や技術の勉強をしよう」「仕事疲れを癒したい」と思っても忙しすぎて全くできません。一度自分の働き方を見つめ直す良い機会だと思います。
人間関係が悪い
毎日仕事しているのだからこそ、職場の環境って大事ですよね。オフィスが汚いとか様々な問題がある中何よりも気になるのは「人間関係」。
嫌な上司や横柄な先輩、生意気な後輩など、集中してプログラム組みたいのにやたらメールしたり話しかけてくる営業担当など、気の合わない人との毎日の顔合わせはできれば避けたいところ。
- 「ただでさえプロジェクトで手いっぱいなのに、他のプロジェクトにも参加される」
- 「理不尽なパワハラがある」
- 「営業がどう考えても予算も時間も足りない時間を安請け合いしてしまう」
などなど様々なケースがあります。
会社の給与待遇に納得がいかない
私の周りの若い人たちはあまり気にしないので実感が今のところ湧かないのですが、結婚されている方やお子さんが居る方は気にしたいところだと思います。実際僕に仕事を教えたくださった素敵に先輩も「給与が少なくて家族を養えない」という理由で退職しました。
給料が上がらない、ボーナスが出ない、残業代が出ない、働きが正当に評価されず評価基準が曖昧など給与に関する不満があるかと思います。よその業種でも給料の問題で転職するのは王道ですが、エンジニアの場合はとくに顕著な気がします。
残業代の不払いを「うちは成果主義だ!」とか、プロジェクトがなくて待機していることが多いため「給料を減らした」など、経営や運営に怒りを感じることも多々あるはずです。
将来性に疑問を感じた
さすがに働いていれば自社の内情には詳しくなります。そして同業他社と比べてみると、「自分の会社大丈夫か?』と疑問が湧いてくるエンジニアが多いはずです。
- 「うちは4次受け以降の案件ばっかりだ」
- 「昨年度の事業報告が明らかに赤字だった」
- 「新しい事業への取り組みがまったく共感できない」
などなどさまざまなものが見えてきます。IT企業はベンチャーが多いこともあり、「この会社10年後大丈夫かな」みたいな経営をしているところも多々あります。そういった不安があって転職するエンジニアが割と多いことは確かです。
もっとスキルやキャリアがほしい
会社や業界の方向性への不安と同時にご自身の将来への不安というのもあると思います。
- 「今の会社ではスキルアップが図れない」
- 「他の言語の案件をしてみたい」
- 「プロジェクトマネージャーなどもっと上流の仕事がしたい」
- 「給料や福利厚生の良い大手に行きたい」
など様々な理由があるかと思います。エンジニアにとってスキルを身に付けることやキャリア形成、頭を使う仕事だからこそよりよい待遇の職場に行きたいと思うのはエンジニアだからこそだと思います。
それらのに仕事の範囲は増えなかったり、職場改善を訴えても受け入れてもらえない場合エンジニアは会社を辞めようと考えます。
社風など会社の風土が合わない
システムエンジニアとしての仕事内容は歩い程度満足しているものの、会社の風土や社風、それらを維持するための活動が苦手という人は意外に少なくありません。
例えば、清掃業者を雇っているのにもかからわず毎日・毎週雑巾がけやごみの分別作業が必要であったり、イベントを取り仕切る総務がいるのにも関わらず若手社員が企画してレクリエーションをしなければならない、などなど業務を遂行又はキャリアアップを図るエンジニアからしたら邪魔だと感じるイベントも多々あります。
長年の風習のようになってしまったイベントや社風は提案したところで中々変えることができず、そういった理由で辞めてしまうエンジニアも沢山います。
独立したい
システムエンジニアやIT業界というのは独立するのが比較的容易です。飲食店やお店の経営と違い初期にかかる費用や毎月の運営費というものがなく、機材も最低限PCがあれば事業の立ち上げが出来ます。
会社である程度経験やスキルを身に付けたいと就職したのちに、フリーランス(個人事業主)やアプリ開発、メディア運営などの事業に乗り出す人も複数します。
人間関係に気を使う
客先に常駐するエンジニアの場合、プロジェクトごとに毎回仕事をするメンバーや毎朝通勤する先が変わります。期間が過ぎたら毎回新しいメンバーと仕事をしたり勤務先が変わるのがストレスで退職する人は少なくありません。
休日が確保し辛い
また常駐エンジニアの場合、急に休みを取りたいにしてもまずは自社に連絡して次に客先でも説明と2重で連絡を入れる必要があり、休みを取るのに抵抗がありタイミングを確保し辛いと感じる人は少なくありません。
さらに常駐案件ではシフト制で複数の会社のエンジニアとローテーションを回して勤務している場合も多く、さらに休日の確保が困難になっているのが嫌だと感じている人も少なくありません。
転職面接での退職理由の話し方について
上記の理由はシステムエンジニアが退職するに至った経緯としてよくある理由で、何を思うが思想の自由が許されているので問題はありません。
私個人としては、「待遇が良い企業」を求めるのは当然のことですし、「自分を高く買ってくれるところに行く」というのはプロフェッショナルの姿勢としては正解だと思います。
ただそういった理由をそのまま面接の場で伝えても評価されないどころか落とされてしまう可能性が高いです。新卒でも中途でも採用試験の場では極力ポジティブな理由というのが好まれます。(個人的には非常にメンドクサイ文化だと思っています)
突出した才能を持っている人は、「前の会社は俺には合わない」「ギャラが安すぎて話にならない」などと俺様的な発言をしても許されるかもしれませんが、私も含めたその他大勢の人間は採用担当である面接官の受けを気にした発言をしなければなりません。
私や周りの知人が実際に面接の場で退職理由について述べた例を紹介したいと思います。
家族が増えたのでもっと給料が良いところを探しています
ただ単に給料が安いというと聞こえが悪いのですが、お金が必要な理由+でもっとお金がもらえれるところというとだいぶ印象が良くなります。
実際に私の先輩の場合なのですが、第2子が生まれたことによって今以上にお金が必要になりやむを得ず退職し、より給料がもらえるところに転職した時には「新しい家族が増えて家族を養うために今以上に給料面で待遇が良いところを探しています」という退職理由を使用していました。
家族がいない場合でも、お金を前面に出すのであれば「そろそろ結婚を考えて貯金が必要」「両親に仕送りがしたい」などなどお金が必要な理由まで明確に説明できるのであれば、給料面で退職したことを伝えるのもアリです。
自由に発言できる環境に魅力を感じました
前職が上司や先輩のわがままで付いていけなかった場合、「以前の職場では、私たち若手が発言できる環境ではなく、若手からベテランまで話し合える環境で働きたいと考えて退職しました」と、退職理由を極力ポジティブに置き換えることができます。
この時同時に、「御社のHPやSNSなど見ると若手もベテランも入り乱れて意見を出し合い、お互いのスキルアップやより良いサービスが提供できているように感じました。御社のそういった風土にあこがれを持ちました」と自分の志望理由にまでつなげられるとさらに良いでしょう。
メリハリを持って働ける場所を探しています
残業や休日出勤が多いということを、「効率的に業務を遂行することが大事だと常に思っており、高い成果を目標として掲げるために、メリハリを持って取り組める環境で働きたいと考えています。」と補足をすることで、前の会社の労働環境の悪さをオブラートに伝えつつも自分は、効率的に的確な仕事がしたいというやる気を伝えることができます。
スキルアップや新しい技術を身に付けられる環境に身を置きたいと思いました
同じく残業や休日出勤の多いことが退職する理由だった場合は、「前職では休日出勤が多くて自身のスキルアップや資格習得に充てる時間を捻出できず辞める形になりました。御社ではライフワークバランスがしっかりしているため余暇で学習る環境が整っていたり、また行っている案件やプロジェクトが私の身に付けたい技術であることもあり、働き甲斐だけでなく自身の成長にも繋がると考えています。」
という形で、自分は成長をしたいけど前の会社はそうさせてくれなかったという伝え方をするのも手です。
おわりに
以上が周りでよくあるエンジニアの退職理由です。他にも「自分が公開したソースコードを見た人からスカウトが来た」、「勉強会などの交流の場に行ったら声を掛けられたから転職した」「勤めていたベンチャーが倒産したから止む無く転職した」、「週3で月50万円貰えるフリーランスに転身した」など珍しいケースも耳にしたことがあります。
安易に転職したりフリーランスに転身するのはオススメしませんが、自分の将来を考えて転職するのは「前向きな一歩として」大いにありだと思います。

