システムエンジニアの仕事は「ブラック」「発給激務」など精神を病んで鬱になりやすいと言われることも多いです。
確かにその話も事実であり、過酷なプロジェクトに携わっていると誰かしらが精神を病んで会社に来なくなります。そして欠員が出たら残ったエンジニアがその分を負担しなければならない、という負のループが発生して、プロジェクトそのものが成り立たないたんてことはよくあります。
実際に私も、新卒で入社した会社で研修後すぐに、1人で客先に常駐して勤務になることが続き、そこでのストレスで精神的に病んでしまった時期がありました。
このページでは、エンジニアが鬱になりやすい理由やを実際に客先常駐で病んで会社をやめた私がお伝えします。
IT業界は病みやすいと言われていますが、それは他の業種も同じです。私の知り合いに安定と言われている公務員だったのですが、市民のクレーム対応をしていたら病んでしまいました。他にもメーカーや銀行の営業で上司にイジめられて鬱になった人もいます。
「ですので、ブラックや鬱というのはITに限ったことではありません。」とフォローは冒頭でさせてください。
システムエンジニア(SE)が鬱になりやすい理由
ITProと言う有名なサイトの「ITエンジニアのメンタル」というコラム読むとエンジニアが病んでいることが多いことが読み取れます。
内容を簡単にまとめると、IT業界に在籍している人材にアンケートを取ったところ、こころの病と診断された割合が最も多いのはプログラマで約5人に1人だそうです。時点でシステムエンジニア、プロジェクトマネージャーが相次いでいます。
また所謂ベンダーとベンダーが作ったシステムを利用しているユーザー企業のこころの病を比較したところ、ユーザー企業(製造,サービス,金融,流通,官公庁などITのユーザー企業)よりも開発側のベンダー企業の方が1.5倍高いことがわかりました。
では、なぜシステムエンジニアが鬱になりやすいのか理由について触れていきます。
長時間労働の環境
システムエンジニアに限らず、プログラマ、デザイナー、イラストレーター、漫画家など、成果物が仕事のゴールの仕事はクオリティを求めたらキリがありません。「いい物を作らなければ!」となったら仕事が終わらないことも少なくありません。
時間がある限り「もっと品質をあげろ!」と要求してくる上司も少なくありません。
クオリティ以外にも、エンジニア事情に詳しくないお客さんだと仕様変更の回数が多かったり、ITに詳しくない営業が無理な契約を結んできたりと、様々な要求で工数が増えることもあります。そういったことに対応しなければならないのも長時間労働を生み出す要因です。
平日は始業時刻から終電まで働くのは珍しくもないですし、終電でやっと家に帰ったと思ったら障害コールが掛かって来て障害対応でそのまま朝を迎えて、寝る間もなく、顧客との打ち合わせに行くなんてエンジニアもいるとかいないとか・・・
不規則な障害対応で生活が不規則になる
とくに保守・運用を行っているエンジニアのお場合、先ほどで上述した通り急なトラブルに追われることが多々あります。「みんながインターネットやサービスを安心して利用できるのは何かあったときのために24時間体制で支えているエンジニアがいるからなんだ」というのをエンジニアになりサーバーの保守・運用しているときに気づきました。
私も経験ありますが、24時間体制の保守・運用の場合、前日は夜勤で1日間を空けた次の出金は日勤というとんでもないシフトであることもありますし、帰宅しているプライベートの時間でも急な不具合で急遽出勤ということもあります。
こういった仕事を経験したからこそ、インターネットやウェブサービス、もっと言えば家電の不具合が怒っても、「サポートに無理難題は言えないなぁ」と優しい気持ちで電話するようになりました。
いずれにせよ、この不規則な生活や急な呼び出しによる恐怖がストレスとなって鬱になるというパターンもあります。
客先常駐によるストレス
客先常駐と言えば、クライアント先の企業に赴き、システム開発や保守運用の業務を行う業務形態です。別名SESなんて呼ばれ方もしています。
客先常駐では、プロジェクトやクライアント先企業によって当たり外れがハッキリします。
特にハズレの常駐先に行ってしまった場合は、
- 怒号の飛び交う現場
- 通勤にかなりの時間がかかる現場
- 毎日終電まで働かせるデスマーチ現場
- パワハラが当たり前の現場
など、地獄が待っています。
私の場合は入社した会社が悪かったこともり、研修が終わったのち会社単位ではなく1人で客先常駐することになり、クライアントにイビられ、16時間勤務の後に精神的に参って退社することになりました。
客期常駐はIT業界でも未だによくあるため、客先というくじ引きにハズれたら待っているのは地獄です。
鬱になりやすいエンジニアの特徴
次に鬱になりやすいエンジニアの特徴についてまとめました。少しでも当てはまると思った場合はご注意ください。
完璧主義
同僚や上司、顧客の応えるべく、常にミスをなく完璧にこなそうという人は病みやすいです。私なんかは割とミスっても「次に同じことしなければいいや」とか考えてしまう方です。
もちろん理想は完璧な仕事をすることなのですが、必ずしも完璧にいかないことの方が多いのが実情です。
自己犠牲の精神がある
ここでの自己犠牲の精神とは、自分の休憩時間(昼休みや業務終了後、休日)などを犠牲にして会社に尽くす人です。「昼休みや定時後の時間を献上して仕事しなきゃ」「業務終了後も会社に言われたから資格や技術の勉強をしなきゃ」という人はかなり多いです。
私の場合は「仕事が済んでいるのに残業(昼休みを取らないで働くことを)するなんて意味がわからない」という感じでした。会社で取れって言われた資格も仕事中や休憩時間に勉強していたためプライベートの時間を使わないで同期の半数が落ちる中合格しました。
また自己犠牲で言えばなんでもかんでも一人で解決しようとする傾向があるように感じました。これについては私自身も当てはまるのですが、なんか不具合や分からないことがあっても 「自分でやらなきゃ」が働いてしまいます。
感情を抑えてしまいがちである
「どんなことがあっても感情を表に出さないここと」が美徳と考える人も要注意。
システムは「疲れた」とか「辛い」とかの感情なしに常に働き続きますすが、人間はシステムではありません。「辛い」なら「辛い」とちゃんと伝えましょう。感情の抑制は悪いことしか生み出しません。
もし辛いと感じることがあれば、上司や同期、友達や家族、など人に相談してみましょう。
鬱にならないための働き方
受託開発にしろ客先常駐にしろ、仕事で鬱になってしまっては元も子もありません。
私は客先常駐で精神を病んで退職する選択肢を取りました。当時は「もう少し頑張れよ」「最低3年は働かないと就職に響くぞ」などいろいろなことを言われました。
ですが、今にして思えばあの時転職という道を選んで良かったと思っています。
年収は100万円近くアップしましたし、その後営業やマーケティングなどエンジニアリング以外のスキルを身に着けて独立することもできました。
もし、「今の職場が辛い」と感じているのであれば、仕事を変えるのも手です。
その1:社内SEに転職する
社内SEはシステムエンジニアの中でも、かなりホワイトであることが多いです。
社内SEの場合、顧客は社内ということになるため、クライアント向けの開発業務に比べて要求度は低くう、小さい規模の開発であることが多いです。
また社内SEの場合、自分で開発しないケースも多く、社員で要件をまとめたら開発業務自体は他所の会社に外注することもできます。
ストレスが掛かる顧客対応を行ったり、社内での厳しい設計書レビューを行う必要もありませんし、深夜に作業を行ったり、障害コールによって休日に振り回されることもありません。
しかも、社内SEの勤務先は非IT企業になるため、ITやパソコンに強くない会社だとたちまち人気者になれる可能性もあります。
その2:WEB系エンジニアに就職する
インターネットサービスの開発を行うWEBエンジニア。近年エンジニアの中でも憧れが多いポジション。
WEB系エンジニアの場合、SIer(常駐)エンジニアに比べて高いスキルを求められますが、開発の考え方や手法が新しい場合が多く、効率的な業務環境であることからマネジメントやコーディングのストレスがなく働きやすいです。
物づくりをしているという実感が得られやすいですし、開発手法も新しいものに触れることができます。(アジャイル開発や最新言語など)
何より、自社のサービス開発を行うため、客先常駐のような滅茶苦茶な労働環境になる可能性も低いです。
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その3:異業種に転職する
過酷な思いをしたのであれば「もうSEを続けるのは嫌だ!」と思い異業種に転職を考える人も多いかと思います。
実際私も、IT企業からIT企業へ転職しましたが、営業やマーケティングなどプログラミング以外の仕事をしました。
また、私の知り合いの場合は、システムエンジニアから「経理」や「事務」などの仕事へ転職した人もいます。
経理の場合は、正社員として働くには実務経験が必要なことが多いため、最初は派遣社員としてスキルを磨きつつという場合が多いです。
事務の場合は、パソコン(エクセル)が使えるとそれだけで重宝されるケースが多いため、経理よりも楽に仕事が見つかります。
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その4:派遣エンジニアとして働く
正社員としての就職ではないですが、派遣エンジニアというのも選択肢としてアリだと思っています。
実際私も、独立前は「貯金はなく、かつ独立準備で長時間残業ができない」というときに派遣エンジニアもやっていました。
独立準備期間中というケースだけでなく、「これから何がしたいか分からないけどとりあえずお金は必要なので働く意思がある」という人も派遣エンジニアとして働くのはどうでしょう。
「仕事が嫌すぎて明日にでも辞めたい」という人はスパッと辞めて、しばらくの間派遣エンジニアとしてお金を稼ぎながらキャリアを積み、余暇の時間で資格勉強や技術習得に励みましょう。
IT業界自体嫌だというのであれば、その間に経理資格や英語の勉強、行政書士の勉強、など次に働きたい業界の勉強をしても良いでしょう。
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