常駐エンジニア

客先常駐型派遣エンジニアのメリット・デメリット

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IT業界には客先常駐という働き方があります。このページでは客先常駐のメリットやデメリットを実際に頂いた体験談を元にお話したいと思います。

客先常駐とは

客先常駐とは簡単に言ってしまえば、自社で雇用契約をしながら、客先のオフィスにて業務を行うことを指しています。

派遣社員の契約会社と勤務先会社みたいなイメージをしていただけると分かりやすいと思います。

常駐についてはこちらの記事もご参照ください。客先常駐エンジニアのメリット・デメリット・働き方についてについて考えてみる。

 

客先常駐での就業体験談

体験談その1

大学の就職活動をやっている時期は、かなりの就職氷河期で、さらに目指していた就職先が大手企業のシステムエンジニアだったので、募集人数が少なくて狭き門であったため、未経験の大学新卒の時には就職できませんでした。

そこで、将来大企業のシステムエンジニアで働くために、出来るだけ優良でスキルアップできそうなシステムインテグレーター企業にして就職して客先常住エンジニアで就業してスキルアップして転職で、大企業にシステムエンジニアになることを狙いました。

私のSI企業での客先常住システムエンジニアを就業した経験から就業する事のメリットとデメリットについて教えるので、これから客先常住エンジニアで就業しようとしている人の参考になれば幸いです。

始めの常駐先

始めに就職した企業は、中小SI企業で、主な客先は銀行などの金融機関で、そこで自社のスタッフ数人で客先に常駐してシステムの構築を行う仕事でした。

そこで働いた一つ目のメリットは、まず大学卒業したてで全くの経験の無かった状態から、自社の先輩SEから技術の指導を受けながらSEのスキルを学んでいけた事です。

二つ目の常駐先

2つ目は客先の金融機関で働いているので、自然と顔見知りになって人脈も増えていき、社会人としてのコミュニケーション能力もアップしていきました。

ただ、良い事ばかりではなくデメリットもあって、中小SI企業だと特定の業種にばかり派遣されるので、同じスキルしか身につかず、私の場合は先輩に恵まれたのでしっかりと指導してもらって順調にスキルを学べましたが、運悪く指導熱心じゃない先輩に指導されて会社を辞めて行った人もいました。

大学卒業後に就職した中小SI企業で十分に仕事を覚えたら、別の業種や分野に強い中小SI企業数社に転職して、したすらSEのスキルアップのために5年間ぐらいで数社を渡り歩きました。

ベンチャー企業への転職

その後に、これまで学んできたSEのスキルと経験を活かして、急成長している優良のSIベンチャー企業に転職できました。

そこでは、始めの頃は今まで働いた事のない客先で中長期の今までよりも難しいSE業務を任されて、チームのリーダーとして、他のメンバーに指示をだす経験を学べました。

さらに、経験を積んでいくと、複数のSIベンチャー企業や派遣が集まって数十人のSEで行うことが出来て、かなりのスキルを学べました。

私がそのプロジェクトで客先常住SEで感じたメリットは、複数のSI企業で働く客先常住SEや、派遣のSEや、大プロジェクトなので客先の多くの部署の担当者との親密なコネを作る事ができました。

さらに、プロジェクトのチームリーダーや副リーダーなど様々な役回りをやった事で、様々なポジションで働くスキルが身につき、短期間のうちに様々な業務を経験できたので、スキルや経験を沢山学べました。
良い事ばかりで無くデメリットもあって、経験やスキルの無い状態で、大きなプロジェクトに派遣されると、まずチームリーダーを任される事は無く、長期のプロジェクトで初心者SEのやるような雑用的な下働きや、簡単なSE業務任されないので、スキルアップが望めない事です。

また、例えチームリーダーができるほどのスキルや経験があっても、他のSI企業の客先常住SEや派遣SEとのコミュニケーションが上手く行かなければ、すぐに雑用的な仕事に降格させられます。

何回か大きいプロジェクトに参加させてもらいましたが、実際にスキルと経験は私以上でも、コミュニケーション能力が無くて、雑用に回された人を何人かいて、ほとんどが会社を辞めていきました。

再び転職活動へ

SIベンチャー企業からの客先常住SEとして、複数のプロジェクトでコミュニケーション能力を学び、関東だけでなく関西や九州などの大手企業にも沢山の人脈ができて、SEとしてのキャリアやスキルにも自信が付いたので、大学の就職で蹴られた大企業への転職活動を始めました。

転職活動においても、客先常住SEとして働いていたコネが使えて、常住先の大企業の何社かから誘われたり、常住先の大企業からヘッドハンターにできる人間として情報が流れて、ヘッドハンターからも誘われました。
だけど、どうしても就職活動で落とされた大企業のSEの正社員として転職したかったので、断り続けてました。

暫くして大学時代に就職したかった大企業のSEで中途採用の募集があったので、転職試験を申し込みました。転職試験の面接では、今まで積んできたSEスキルと経験についてどんな企業で客先常住SEをやってきたのかや、どのような仕事をしてきたのかを解りやすくまとめて伝え、会社で働きたい思いを熱弁しました。
何回かの面接を経て、転職で客先常住SEとしてたたき上げて来た経験とスキルと卓越したコミュニケーション能力を大変評価してくれて、大学時代の夢が叶って正社員として転職できました。

転職先の大企業でも、即戦力としてすぐにSEとして責任あるプロジェクトを任され遣り甲斐のある仕事と好待遇に満足してます。

体験談その2

客先常駐のメリット

私は某有名ホテルの管理系システムの客先常駐エンジニアを、およそ5年間、務めていました。

このホテルの管理系システム(経理、人事、総務、その他)は品質が良く無く稼働開始時には相当に大変であったとの事で「何が起きても即時対応が出来るように」という事でシステムエンジニア2名を常駐させるようにしており稼働開始から5年が経過していましたが「運用管理」という名目で常駐体制を続けており私も途中からその役割をやる事になったのです。

客先にはシステム担当部門もありますがトラブル発生時は現場から直接、運用管理に連絡が入ります。連絡内容は全て記録して対応未済を含め月一回、客先のシステム担当者に報告する形での業務でした。

もちろん重大な内容や致命的なトラブルは即報告です。

 

私にとっては初めての客先常駐業務でしたが今、振り返ってみると、この時の経験は非常に貴重な物だったと思います。

何ヶ月から常駐していると客先のメンバーとは当然、顔見知りになりますし客先のメンバーは経理、人事、総務等のバック管理業務のベテラン揃いでしたので、それまでは知らなかった業務上の色々な知識を得る事が出来ました。

経理における原価管理業務の配賦処理なども、この時に初めて覚えた事ですが、この時の知識が後にどれだけ役にたったか分かりません。

このおかげで原価管理システムというと必ず私に指名が入るようになり、その後、数社の原価管理システムの構築でリーダーを務める事になりました。

このような業務現場ならではの生の知識が得られるのは客先常駐のエンジニアならではのメリットと言えます。この他にも本だけでは得られない色々な業務知識を得る事が出来ました。
また日常的なシステムの運用状況を毎日、自分の目で知る事が出来たのでシステムがどうなっていると便利でどういう所が不便なのか? を現場で実地に知る事が出来、その後の設計に大きな貢献をしてくれる事になりました。

その後に某コンビニ向けに開発した「本部入力システム」の構築でオペレーターの方から「こんなに楽で便利な入力画面は初めてです。有難う御座います!」とお礼を言われた時はうれしいと同時にいかに運用管理の時の経験が重要であったかを感じました。

客先常駐のデメリット

ただ客先常駐の業務にはデメリットもありました。

その際たる物は「気の休まる時が無い」という事です。業務現場ではシステムトラブルが発生すると「運用管理のメンバーだけが頼り」なので、たとえ帰宅済みであっても自宅に連絡が入ってきます。

実際に一度、帰宅してから夜間にタクシーを飛ばして戻った事が何回もありました。休みの日に連絡が入る事も度々あり、そのたびに全てのスケジュールを中止して現場に飛んで行きました。

その頃の私は結婚前でしたので家庭崩壊という事はありませんでしたが家庭をお持ちの方には相当にきつい業務であったと言えます。

また「追加システムの構築」や「運用管理ではまかないきれない大幅改修」等が発生した場合には別途に開発チームが設けられますが、そのチームとの連絡役は「日々、システムの改修を行っている」運用管理の担当者にしかできない事なので必然的に引き受ける事になりました。

ですので、そういった別プロジェクトが動き出すと日々の運用管理業務と開発チームとの連絡役という2つの仕事をこなさなければならず相当に大変でした。

ちなみにこういった別プロジェクトが動き出す場合、現場の担当者にとっては「初めて見る顔」の別プロジェクトのメンバーより「いつも見ている顔」の運用管理のメンバーの方が話しやすいし業務内容も良く心得ているから安心という事で「単なる連絡役」だけでなく業務知識のサポートや現システムの仕組みの説明やインターフェースの説明なども運用管理チームで担当し、かつ現場メンバーからは「あいつらで本当に大丈夫なのか?」等、色々なクレームに近い事を聞かされる事も多く報告に困るような事も有りました。
別プロジェクトから出て来たシステムの仕様確認書類が運用管理に回って来て「これで問題ないか確認してくれ」というような事もありました。一見、本末転倒ですが、いわば「信頼されている」から、こういう事が起こるのだと自分を納得させていましたが「責任転嫁されるのではないか?」とちょっと怖かった事も覚えています。

色々と辛い経験も沢山した「運用管理業務」ですが業務知識のみならずコミュニケーション能力が鍛えられたり、それぞれの人にはそれぞれの立場が有るのだ、という客観的な立場で物を見る事が出来るうようになったりとその後の仕事と人生において有益な物を沢山得る事が出来た事も事実です。

百聞は一見にしかず、と言いますが業務システムも「毎日、現場を見ていて始めて分かる事」が多々あるのです。

私は50代前半まで開発現場の第一線で指揮を取っていましたが開発現場の第一線で50代というのは私位のもので後は皆「はるかに年下」でした。

同世代のメンバーは管理職として残るか他職に転職していました。

これだけの長期間、第一線で仕事が出来たのは運用管理の時の経験が大きかったな、と今にして思うのです。

客先常駐のまとめ

客先常駐系のエンジニアは就職や転職が容易なので、エンジニアとしてのファーストステップとしてはよいかもしれません。そこで身に付けた経験や業務経歴を持ってよりあなたを評価してくれる企業に転職するのがオススメです。

 

常駐エンジニアの問題点としてはいくつかあります。

  • しょっちゅう職場を転々とするストレス
  • 自社と客先会社に板挟みにされがち
  • スキルがつきにくい
  • 年齢が上がるにつれてエンジニアの単価が上がるので、安くて済む若者に仕事が集中する

とくに4つ目が重要で、常駐エンジニアは30前後の年齢を境に急に仕事がなくなってしまうことも少なくありません。「エンジニア35歳引退説」なんて言われるくらいです。

おまけにスキルがない場所に常駐ばかりしていると転職先にも困ってしまいます。

 

そこでエンジニアに必要なのは常駐案件をこなすことで、業務経歴などの経験値をつけつつ、スキルや資格を身に付け、より良い環境へ転職することです。

まずはITに特化した転職エージェントのキャリアアドバイザーに無料相談をして、今後のなりたいビジョンやキャリアプランの深堀をするべきです。




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