客先常駐は自分の会社ではなく、クライアントの会社で働く業務形態です。
毎回違う職場で働くというのは新鮮さがありますし、クライアントに喜ばれるのがやりがいと感じるエンジニアも多くいます。
ですが、常駐先のビジネスが自分のスキルにマッチする場合やクライアントとの関係性が良い場合はもちろん楽しいですが、全てのケースにおいて、客先常駐を楽しめるとは限りません。
客先常駐でストレスを感じたり、体調不良により途中でやめてしまったりする人も多くいます。
この記事では客先常駐が楽しいと思えるケースとそうでないケースについて解説します。
客先常駐が楽しくなるケース3選
まずは、客先常駐が楽しくなるケースについてご紹介します。最初に結論を申し上げると客先常駐を楽しめるかどうかは、常駐先のビジネス内容や常駐先の環境によります。
常駐先の会社のビジネスに興味が持てる場合
常駐先の会社のビジネスに興味が持てると、客先常駐が楽しくなります。常駐先の会社は、知識のみを必要としているわけではありません。
客先常駐では、日常業務に役立つシステム作り、問い合わせやトラブル対応が多くなります。
客先常駐エンジニア自体は開発や運用保守など、IT系の仕事をしているのですが、間接的にクライアントのビジネスに触れることになります。
このときに、自分自身が全くもって興味が持てない業界のクライアントに常駐すると、どうしてもモチベーションが上がりづらいのは言うまでもありません。
反対に、興味がある業界やビジネスの内容であれば、仕事が自体も楽しく取り組むことができます。
「ブランド品が好きな人がブランドECサイトの現場に常駐した」という例を出せばイメージが付きやすいと思います。
客先常駐で大切なのは、ビジネスに興味が持てるかどうかにかかっています。興味が持てない場合は日常業務に苦痛を感じてしまいます。
常駐先のチームやクライアントと仲良くなれた場合
常駐先のチームやクライアントと仲良くなれると、客先常駐が楽しくなります。そのため、コミュニケーション力は必須となります。
常駐先のチーム、クライアントは自分にとってはお客様です。複数人で客先常駐する場合もあれば、1人で客先常駐するケースもあります。
知り合いがいれば気が楽ではありますが、1人で客先常駐する場合、仕事以外のコミュニケーションをしっかり取り、仲良くなる重要になってきます。
仲良くなる具体的な方法としては、食事を取りながらの会話、趣味の共有などです。
客先常駐する場合、常駐先のお客様との相性にもよりますが、お客様と積極的にコミュニケーションを取りたいという社交性がある人がより客先常駐を楽しむことができます。
逆に、コミュニケーションが苦手という方は、1人で客先常駐を行う場合、苦痛でしかなくなります。
常駐先の会社の環境が良かった場合
客先常駐を楽しむ場合、常駐先の会社の環境は非常に重要です。客先常駐を楽しむための環境面でのポイントはいくつかあります。
まず大切なのは、常駐先の会社の家からの距離です。家から遠いと、毎日の通勤が苦痛になります。通勤時間がかかると、プレイベートの時間を楽しむことができず、ストレスに感じてしまいます。ある程度家から近い、もしくは交通の便の良さを考慮する必要があります。
また、社食(社割適用)があるなど、福利厚生も重要なポイントです。常駐先により、福利厚生サービスは異なります。比較的大きい会社であれば、福利厚生が充実しているため、快適に過ごすことができます。
社食に関しては、お客様と仲良くなる絶好の場所でもありますし、何といっても安く食事が取れるのが魅力的です。
ホワイト企業に常駐するか、ブラック企業に常駐するかで、環境が大きく変わります。客先常駐を楽しむためには、常駐先の環境についても調査しておくことが大切です。
客先常駐のデメリット
次に客先常駐のデメリットについてご紹介します。客先常駐は楽しいばかりではありません。場合によっては後悔する可能性があるので、デメリットについても把握しておく必要があります。
常駐先の環境が悪い場合は地獄
常駐先の環境が悪い場合は地獄です。まずは、常駐先の顧客との相性が悪い場合、ストレスが尽きません。
常駐先では、休憩時間や食事中も、顧客と過ごすことになります。コミュニケーションが苦手な場合、どうしても気疲れしてしまいます。
また、プレッシャーを過度にかけられたり、嫌がらせを受けたりすると、精神的に追い詰められ、仕事が継続できなくなります。
通勤時間が長すぎて十分に休息を取れずに体調を壊したという人もいます。毎日終電で帰り、次の日の朝は始発で通勤という環境に置かれ、途中で心がおれたというケースもあります。
しかも、自分で常駐先や業務を選べないので運ゲー!
客先常駐で自分のスキルを活かしたいと思ったとしても、自分で常駐先や業務を選ぶことができません。場合によっては、自分が磨いていたスキルと関連性のない業務に当たらなければならなくなるケースもあります。
客先常駐では、「社内待機」というのがあります。プロジェクト開始までの期間に、雑用をさせられることとなるのです。常駐先の仕事と自分のスキルがマッチし、すぐにプロジェクトが決定すれば、やりがいを持って業務を開始することができますが、そうでない場合、社内待機の時間が長くなってしまいます。
業務にやりがいを感じることができなくなるだけでなく、クライアントから厳しい目で見られたり、嫌みを言われたりする可能性があります。
そのような状況下におかれ、体調不良となり、途中でやめることになるケースもあります。
客先常駐をする職種としては、システムエンジニアやプログラマーが多いですが、主要な業務から離れてしまうと、新しい技術についていけず、さらにできる業務が限られるという悪循環になります。
やりたい業務ができるとは限らないので、客先常駐の業務内容は運ゲーと言っても過言ではありません。
客先常駐案件ばかりではスキルが身に付きにくい
客先常駐ではお客様から必要とされる素晴らしい仕事ではありますが、同じクライアントの元でずっと働くわけではありません。
客先常駐では、システム改革などやりがいのある仕事をするケースが多いですが、契約期間があります。
慣れてきたり、やりがいが感じられるようになったりしたタイミングで契約終了となるケースも多いです。
客先常駐では困難な仕事や、最新の技術やシステムを使用する仕事などに触れるため、成長できる場面は多いですが、客先常駐案件ばかりではスキルが身に付きにくいです。
継続することでさらにスキルアップできるケースはありますが、途中で終了となると、その機会も奪われてしまいます。
そもそもの話ですが、客先常駐では大してスキルが身に付きにくい、悪いい方をするとアルバイトでもできるようなしょうもない業務も沢山あります。
そういった仕事ばかり引き受けると、気付いた時には、良い歳なのに全然スキルがないというエンジニアになってしまうこともあります。
年齢を重ねるにつれて、スキルの有無にかかわらず常駐時の単価は上がります。そうなつてくるとクライアントも歳だけは重ねたエンジニアというのを採用したくなくなります。
大してスキルが身に付かない仕事ばかりをしていた、エンジニアの末路は悲惨なものになることは言うまでもありません。
そうならないうちに、次のキャリアを考えることも大切です。
おわりに
客先常駐に関しては、常駐先の環境が良く、やりがいのある仕事ができれば、楽しいと感じることができます。クライアントと仲良くなると、休憩時間なども楽しく過ごせます。
しかし、常駐先の環境が悪い場合、精神的に追い詰められる可能性があります。通勤時間が長すぎて十分な休養がとれなかったり、自分の持っているスキルが活かせずやりがいを感じられなかったりするケースもあります。
新しいことを始めたいと、客先常駐にチャンレンジしてみるのはありですが、客先常駐だけではスキルが磨けない可能性もあるので、現状に満足できない場合は、なるべく早く辞めた方が良いでしょう。
特に、プロジェクトを開始できず、雑用ばかりになったり、職場環境になじめなかったりする場合は、辞める勇気も必要です。
客先常駐で疲れた人のキャリアプラン4選
その1:社内SEに転職する
社内SEはシステムエンジニアの中でも、かなりホワイトであることが多いです。
社内SEの場合、顧客は社内ということになるため、クライアント向けの開発業務に比べて要求度は低くう、小さい規模の開発であることが多いです。
また社内SEの場合、自分で開発しないケースも多く、社員で要件をまとめたら開発業務自体は他所の会社に外注することもできます。
ストレスが掛かる顧客対応を行ったり、社内での厳しい設計書レビューを行う必要もありませんし、深夜に作業を行ったり、障害コールによって休日に振り回されることもありません。
しかも、社内SEの勤務先は非IT企業になるため、ITやパソコンに強くない会社だとたちまち人気者になれる可能性もあります。
その2:WEB系エンジニアに就職する
インターネットサービスの開発を行うWEBエンジニア。近年エンジニアの中でも憧れが多いポジション。
WEB系エンジニアの場合、SIer(常駐)エンジニアに比べて高いスキルを求められますが、開発の考え方や手法が新しい場合が多く、効率的な業務環境であることからマネジメントやコーディングのストレスがなく働きやすいです。
物づくりをしているという実感が得られやすいですし、開発手法も新しいものに触れることができます。(アジャイル開発や最新言語など)
何より、自社のサービス開発を行うため、客先常駐のような滅茶苦茶な労働環境になる可能性も低いです。
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